マネージャー業務の半分以上は「業務改善」と言っても過言ではありません。
その改善も業務量に比例して多くなり、結果が追えなかったり精査が間に合わないなどの理由で保留になるパターンも多いと思います。
そこで今回は、改善のフレームワーク「KPT」をご紹介致します。
この記事でわかること
②KPTの進め方のコツ
③まとめ
KPTとは
KPTとは「ふりかえり」によって、業務改善を行う手法です。
Alistair Cockburn氏が提唱した「KEEP・PROBLEM・TRY」
この3項目で構成されているフレームワークを、日本のカイゼンの概念に当てめた手法です。
3項目をそれぞれ解説致しますと以下のようになります。
・PROBLEM→悪かったこと(やめること)
・TRY→次にチャレンジすること
仕事を進めていく上で、行動や成果を振り返る機会はよくあります。
さらにミーティングなどで意見を出し合う際に、アイデアは出るが結論までに至らなく、時間が長くなりがちな時などにKPTを用いると現状分析や次にやることが明確になってきます。
実際にKPTを行うときは、この3項目を見える化して俯瞰してみることが重要で、基本的にホワイトボードや付箋を使うと見える化しやすいです。
図のように、KEEP、PROBLEM、TRYの3つに分けて、KEEP、PROBLEMから順に書き出していきます。
そこから現場や課題の現状を見える化して、続ける事と改善点を考えていくと次に実行すべきアクションが見えてきます。
一見、PDCAに近い要素もありますが、KPTはどちらかというと思考整理に近いです。
ですのでPDCAと組み合わせることで、大きな効果を産む場合もあります。
KPTの応用例としては別記事の※【マネジメント】PDCAの精度を上げる方法でご紹介致します。
KPTの進め方のコツ
KPTはチームの振り返りとして活用すると、効果を発揮します。
もちろん、個人の行動改善で活用しても全く問題ありませんが、チームで活用した方がより多くの成果が手に入ります。
理由としては、「うまくいった事」「うまくいかなかった事」をチームで共有するため、成果が倍増しやすいのです。
1人が成功した事例をみんなが実行可能な状態にすれば、成果は人数分見込めますし、失敗した事例も共有することで損害も防げます。
では、実際にKPTを導入するにあたって意識すべき点を3つご紹介します。
1・意見は上下関係なく、些細なことでも言うというルール
チームで活動する場合、一部の意見が強いと成長が鈍化します。
最前線の現場の変化に適応するためには、多様な意見をたくさん集めることが重要です。
ほんの些細な現場の気づきが、意外に重要なポイントだったりすることがあります。
ですので、各自の意見に批判だけすることは避け、批判がどうしても必要なら代替案を出させるなど、思いついたことをそのまま発表しやすい環境を整えることが大切です。
2・司会進行役がいるとよい
多数で参加している場合、意見が散乱する場合があります。
本来議論すべきポイントからずれて、効果のある施策まで辿り着かないと本末転倒ですので、司会進行役はその現場の「責任者」が担当すると、ポイントもブレずに意見交換ができるでしょう。
3・ログを残す
KPTが失敗するポイントはログが残りにくいことです。
そのため、決定した施策の経緯や効果測定が曖昧になり継続性が保てません。
意見が多様に出るため、全てを残す事は難しいですが、決定した施策に対してどのような課題があったかは管理する必要があるでしょう。
また、その場限りでは効果は期待できないので定期的にKPTの場を設ける必要があります。
理想としてはマネージャーのPDCAにKPTで決めたことを追加して追えるようにし、定期的にチームで議論する場を設けると効果が期待できるでしょう。
まとめ
今回はKPTについてご紹介致しました。
KPTは振り返りをKeep・Problem・Tryの3つの要素に分解して、意見交換をするミーティングです。
初めて実施する場合でもそこまで迷うことなく導入しやすく、非常にシンプルなフレームワークでしょう。
現場の意見を吸い上げる機会も貴重ですので、KPTをマネージャーのPDCAに組み込んで、定期的にかつログを残して実行内容を追っていけるようにすれば、現場の変化に対応し続ける強い組織作りの土台になるかもしれません。
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