適切なフィードバックは、大きな成長と成果を生みます。
しかしそれをどう運用するかによって、効果が変わってきます。
フィードバックは手間のかかる作業かもしれません。
しているつもりでも形骸化してしまい、効果が薄れている場合もございます。
この記事を通して改めてフィードバックの重要性を見直し、効果的な運用の手助けになれば幸いです。
この記事でわかること
②フィードバックが注目される理由
③フィードバックの種類と方法
④まとめ
①フィードバックの目的・効果
ビジネスでのフィードバックの効果は下記4点です
1・人材育成
上司が部下の問題点と悩みを把握し、改善に向けた取り組みを促します。
ビジネスシーンではシスター制度やOJTなど、定期的に行う一般的なフィードバックと言えます。
2・社員のモチベーション、仕事への動機づけ
定期的なフィードバックは社員の行動を評価します。
行動を評価することで行動も把握でき、上司と部下の間でコミュニケーションによる信頼関係も発生しやすくなります。
それにより、仕事への意欲が湧くきっかけを作ることも可能です。
3・アウトプットの拡大による業務成果の向上
フィードバックはPDCAを回すことが可能になります。
常に改善に向けた取り組みを促すことができるので個人のスキルが向上しやすいです。
結果として、フィードバックを受けた社員はアウトプットの質が高まり業績も向上しやすくなります。
4・組織目標の達成
フィードバックは「管理」でもあります。
それぞれの進捗や業績をフィードバックすることでモチベーションをできるかぎりベストな状態にして、目標達成のためのアクションの精度が高まります。
またフィードバックの種類として、企業、組織など大きな視点で見る際は「顧客」からのフィードバックを真摯に受けることも大切です。
②フィードバックが注目される理由
フィードバックは変化の激しいビジネスシーンにおいて有効な手段として注目されています。
理由としては次の4つです。
1・人材の多様化
外国人労働者、非正規雇用や働き方改革など人材と雇用形態の多様化が進むにつれて組織の統率をとる方法が難しくなってきたため。
2・管理者層の若年化
人員不足や企業の急成長により、若年層がマネジメントの業務を遂行する現場が多くなりました。
そのため、経験を補うためにフィードバックが必須になります。
3・多忙さによる部下育成の欠如
人材確保の問題や、経営効率化により管理者の仕事範囲が広がった背景があります。
現場で直接指導するOJTも難しくなり、効果的なフィードバックが必須になりました。
4・価値観の変化
若年層の組織への愛着や仕事への向き合い方、ハラスメントに対する意識やメンタル面が注目されることで育成の難易度も上がりました。
そのため、パーソナルを育てる育成方法としてフィードバックが注目されます。
上記のような「人材確保」「育成」の課題を多くの企業が抱えてます。
正しいフィードバックは個人を尊重し、自主的な行動を促すことが可能です。
また、フィードバックを基点としたPDCAを運用しやすくなるので生産的なチーム運営ができると同時に、コミュニケーションが仕組み化されるので信頼関係を構築しやすい組織を作ることもできます。
③フィードバックの種類と方法
ここでは具体的なフィードバックポイントをご紹介致します。
■フィードバックの種類
・ポジティブフィードバック
部下の行動や言動に対して「前向きな」コメントを行います。
「でも」や「しかし」など否定的なコメントをできるかぎり避け、「どうすればできるか」など未来に向けた表現を意識し部下の自己肯定感、意欲、自発性を高めて成長を促します。
・ネガティブフィードバック
これは人間を否定するのではなく、あくまでも「仕事」に対してあえて否定的な表現をすることです。
問題点を指摘することで、解決策を考えるだけでなく現状打破をするパワーを身につけることが可能です。
ポジティブフィードバックとは対極に位置しますが、何が問題なのかを迅速に認識させ、同じ間違いを2度と起こさせたくない時やあえて「強め」に指導したい時に使います。
クレーム対応や売上を死守する場面など、危機的状況で発動させるのが良いかもしれません。
部下の成長、育成を促す場合は基本的にポジティブフィードバックを軸に考えましょう。
反対にネガティブフィードバックは、幹部候補やリーダーなど実行力とクリエイティブさが求められる人材に用いると効果的です。
ネガティブフィードバックは相手がストレスへの耐性がないとマイナス影響を与える場合があるので、たとえ幹部候補だとしても対象者をしっかり見極めないと潰れてしまう原因にもなります。
■フィードバックの手法
具体的なテクニックとして 2点あります。
1・サンドイッチ型フィードバック
フィードバックの中でも主流のやり方です。
「肯定(褒める)→否定(改善点)→肯定(褒める)」の順番で行います。
ここで1番伝えたいところは「否定(改善点)」です。
いきなり改善点から入ると、プロセスを評価せずモチベーションを下げてしまいますので、必ずプロセスや出来たことなど、よかった点を入れてから改善点を伝えることで、より説得力が増すでしょう。
2・ストラテジー型フィードバック
ストラテジーとは戦略です。
つまり相手に合わせて、フィードバックする内容を変えることです。
人間には感情や性格があり、状況によっても響く時もあれば納得しない時もあるでしょう。
貴重なフィードバックの時間を最大限活用するために相手の思考や好みを見極めて、かける言葉を変えたり用意する数字を変えたりしながら「戦略立てて」フィードバックすることも大事です。
これは信頼関係の構築にも役に立つので、部下だけではなく取引先や上司などにも通用する手法です。
■フィードバックで注意すべきポイント
効果的にフィードバックをするために下記4点、注意すると失敗は少ないでしょう。
1・タイムリーに伝える
フィードバックは起きたその場で行うことが1番効果があります。
OJTなどはそれを狙っています。
時間が空くほど、状況が変わったり記憶も曖昧になり的確な改善点を見出すことができませんし、重要度が薄れていきます。
できるかぎり早く、可能であればその日のうちにある程度やり取りできることが望ましいです。
2・部下の能力を加味する
フィードバックを行なっても、実行に対して負荷がかかりすぎたり理解する内容が複雑だったりすると効果を発揮することができません。
実行可能な範囲で「今すぐできること」で「効果がある」ことを上司は見極めてフィードバックしましょう。
3・適切な表現で伝える
「言えばわかるだろう」「このくらいで大丈夫」や「きつめの言葉」などその場面や、人によって言葉を選び伝えないと意味がありません。
受けて任せでは正しいフィードバックは行えないのと、不適切な表現でのフィードバックは部下を混乱させ、やる気を低下させる可能性もあります。
4・信頼関係が第一
フィードバックは「指摘」が入ります。
信頼関係がなければ素直に実行できないのが人間です。
ロジカルな説明で説き伏せるのではなく、傾聴の姿勢を示し、信頼関係を維持させなが取り組む必要があります。
決して一方通行のコミュニケーションではないことを意識しなければいけません。
④まとめ
今回はフィードバックについてご紹介いたしました。
フィードバックは成長のために必要な仕組みです。
育成や指導になると、管理する側、教える側の立場は「こうすれば大丈夫」「こう決まっているから」など、どうしても思考が一方通行になりがちです。
フィードバックも根底はコミュニケーションですので相手がいてこそ成り立ちます。
相手を尊重し、相手のため、企業成長のために何ができるか圧倒的なギブの精神が良いフィードバックを産みます。
「何をしてあげられるか」を意識するだけでもフィードバックの質は上がりますので、ご参考にして頂けると幸いです。
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