モチベーションはどうしても感覚的に捉えがちです。
モチベーションを上げる手法がわかっても、実行するときや伝えるときに、抽象的になったり継続できなかったり上手くいかないこともあると思います。
モチベーションに関する研究は古くから、さまざまな国、研究機関で行われてます。
学術的な定義を理解することで、説得力や再現性を持ったアクションができると思います。
この記事でモチベーションへの理解を深め、日常生活やビジネスに役立てれば幸いです。
この記事でわかること
②モチベーションを満たす5大欲求
③モチベーションに関わる心理学
④まとめ
①チーム、組織に対してのモチベーション理論
■バーナードの組織成立の3要素
こちらは「チーム・組織づくり」に関する理論です。
姉理科の経済学者である「チェスター・バーナード」によると「チーム・組織」が成立するためには以下の3つが必要と述べてます。
「共通の目的」
チーム、組織を編成する際、最初に「何かを成し遂げたい」という目的が共有されていないと組織は成立しません。
人間は一人で達成できることには限界があります。
社会的に大きな成果を獲得したり、貢献するためにチーム、組織をつくります。
企業では社員一人ひとりの力を結束させ、大きな目標に向かっています。
会社では「企業理念」が共通の目的にあたります。
ビジネス以外でも、趣味や日常のシーンで「このチームの目的は何か」を常に確認し、同じゴールを目指す仲間意識を持つことがモチベーションに繋がります。
「協働意識」
「協働意識」とは、お互いの強みや弱みを理解し、補うことです。
先程の「共通の目的」が共有できたら、「協働意識」をチーム内で働かせます。
お互いの役割が明確化され、目的に向けてどのようなプランで動き何をすればいいのかが具体的になってきます。
そのアクションがお互いの合意の上で実行されることで、達成への確実性が増すでしょう。
「コミュニケーション」
最後はコミュニケーションです。
「共通の目的」「協働意識」を繰り返し、目標達成の確実性を高めるためには良質なコミュニケーションが必要になります。
ただ声をかけるだけの「意思疎通」だけではなく、共通の目的を達成するために、お互いにサポートし合うためのアクションや計画を、自発的に更新できる仕組みが必要です。
以上の3つを図解のようにリンクさせ、チーム・組織づくりを促進していきましょう。
②モチベーションを満たす5大欲求
心理学者の「アブラハム・マズロー」はモチベーションを満たす欲求には5段階のプロセスがあると提唱しています。
「1・生理的欲求」「2・安全の欲求」「3・所属と愛の欲求」「4・承認欲求」「5・自己実現の欲求」の5つです。
1から順番に満たされないと、最後の実現の欲求が生じにくいという特徴があります。
モチベーション管理という側面からは、この階層を順番に満たしていくことが重要です。
「1・生理的欲求」
食事、睡眠など「人間の生命維持」に関わる欲求です。
生きていく最低限の欲求が満たされなければ、他のアクションを起こすことができません。
「2・安全の欲求」
身の安全を確保する欲求です。
住居や収入などを含め、安心感を持った生活ができていない場合はこの欲求を満たす必要があります。
「3・所属と愛の欲求」
他者と関わる、集団に属するなど「社会的欲求」です。
人は自分を受け入れてくれる場所や話し相手がいないと、孤独になり大きな成果を得るのが困難な場合があります。
また日々健やかな生活を送るためには、物理的な満足だけではなく自分を理解してくれる他者の存在がないと、幸せや達成を実感できない時があります。
「4・承認欲求」
社会に属して集団の中で認められてくると、さらに「自分が認められている」、「自分が優れている」と確認したくなる欲求です。
「尊厳欲求」と呼ぶ場合もあります。
承認欲求は2つあり、どちらもバランス良く満たすことが重要です。
1つ目は他人に注目されたり、賞賛されたりすることを求める「低位の承認欲求」。
2つ目は他人にどう見られるかだけではなく、「自分が自分を承認できるか」の「高位の承認欲求」です。
他者依存の評価軸から自立して、あくまで自分の中の基準に従った欲求です。
「5・自己実現の欲求」
1から4の全てが満たされると、最後の「自己実現」にたどり着きます。
自己実現の欲求とは「自分にしか出来ないことを成し遂げたい」「自分らしく生きたい」という欲求です。
「有名人になりたい」「起業、独立したい」「海外暮らし」など多くの人は何らかの「夢」や実現したいイメージがあります。
その理想的なイメージと現実のギャップがあるときに、この「自己実現」が湧いてきます。
欲求が完全に満たされることは中々難しいことですが社会的成功が満たすわけではなく、理想的自己イメージに近づく必要があります。
③モチベーションに関わる心理学
「選択理論心理学」
この理論はアメリカの精神科医「ウィリアム・グラッサー博士」によって、提唱されました。
この理論の肝は「自分自身をコントロールする」という点。
自らの行動は他人に選択されない、また他人の行動を選択させることも出来ないという理論です。
普段「変えられない」とわかっていることに、悩んだり、怒ったり多大なエネルギーを消費していることがあります。
自分自身をコントロールする上で重要なのは「変えられることだけにエネルギーを注ぐ」ということです。
ちなみに、「変えられるもの」に関しては以下の3つの観点があります。
1・「自分」 対 「他人」
人間は自分の主張を通したいときなど、「他人を変える」という行動になりがちです。
これは簡単に成し遂げることはできません。
まずは「他人を変えることは無理」と前提することが大切です。
他人を変えることができないのならば、自分を変えて影響力を与える。
その結果、他人に対しても変化を促すことができます。
2・「思考・行動」 対 「感情・生理反応」
「感情と生理反応」はダイレクトに制御できません。
例えば、裏切られて「悔しい」「悲しい」という気持ちからは逃げられません。
しかし、自分自身の「行動」や「思考」を変えることは物理的にできます。
行動や思考を変えることにより「感情」を和らげる効果が期待できます。
「感情」をコントロールすることは非常に難しいです。
しかし行動や思考を変えることがきっかけになり、感情に振り回されることなく、自分をコントロールする術を身につけることができます。
3・「未来」 対 「過去」
過ぎてしまったことに、思い悩み後悔することは多々ありますね。
起こってしまった事実は変えられません。
しかし、起こってしまった過去をリカバリーすることはできます。
一時的に過去に縛られてもいいので、それをリカバリーもしくは変化させるためにはどうしたらいいか、「未来」を見据えたアクションを意識することが重要です。
「変えられないもの」に注目せず「変えられるもの」を選択し、それにエネルギーを集中させることが、モチベーションをコントロールする第一歩になります。
④まとめ
今回はモチベーションに関しての理論や法則をご紹介しました。
チームでモチベーションを意識させるには、「1・共通目的」「2・協働意識」「3・コミュニケーション」の順で回していきチームを強化する。
モチベーションを理解するためには、それを満たす5大欲求「1・生理的欲求」「2・安全の欲求」「3・社会的欲求」「4・承認欲求」「5・自己実現の欲求」を理解して段階を踏んでモチベーションを育てる。
そして「変えられるもの」と「変えられないもの」を理解してモチベーションを正しく作用させることが重要です。
この記事がご自身の職場やマネジメントの活用の一助になっていれば幸いです。
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