新入社員も業務に慣れてきた頃、以下のような悩みはマネージャーにはつきものではないでしょうか。
「おとなしい性格なのか、全然自分から動かない」
「自分から学ぼうとする意欲が感じられない」
言われないと、やらない。言われたことしか、やらない。
指示待ち社員に関しては新入社員に限らず、「中堅社員も…」と頭を抱えるマネジャーもいると思います。
今回は指示待ち社員もマネジメント次第で、「自ら動く社員」に変わっていくお話を致します。
この記事でわかること
②マネジメントは聴くに徹する
③まとめ
指示待ち社員が変わるきっかけ
最初から自主的に動く人材もいますが、大半は周りの様子を見て行動したり、指示を待ったりする人材の方が多いと思います。
それは社風や現場のルール、失敗したくない気持ちなど、さまざまな要素が作用して、結果的に「指示待ち」となるパターンがほとんどです。
「指示待ち社員」を作り出す要素は実は外的要素の方が多いのです。
それを個人の性格や、やる気に委ねてしまうのはマネジメントとしては短絡的な考えと言えます。
そこで「指示待ち社員」を変えるためにまず現場で確認しておくべきことが3点あります。
2・社員が発言できる場面や仕組みがあるか
3・上司が部下の話を聴く仕組みがあるか
ポイントとしてはトップダウンに頼りすぎていないか、社内では「当たり前」とされていることが、実は社外から見たら違和感を感じるような「暗黙のルール」が社風になっていないか、など
社内の風通しが良くなるような施策が常に打たれているかが重要です。
他人が人間の性格を変えることは、ほぼ不可能ですが、仕組みによって行動を変えていくことは可能です。
そして人の行動を変えるためには、行動の原動力となる承認欲求を満たし、仕事に結びつける必要があります。
その過程に必要なのが「傾聴」なのです。
マネジメントは聴くに徹する
いきなり深い話をしようとしても、相手との信頼関係や仕事に対するモチベーションが低かった場合、本来の傾聴ができない場合があります。
傾聴は段階的に行うことで効果的に行えます。
第一段階「内的傾聴」
「内的傾聴」とは、人の話を聞きながら、自分のことを考えている状態です。
わかりやすくいうなら、部下や後輩の話を聞きながら、それに対する持論を常に考えていて、相手の話を聴いていない状態に近い状況です。
これは相手の話を受け入れていないので「聴いている」とは言い難い状況です。
相手が「自分の話を聴いてもらっている」と感じることも難しく、むしろ「考えを否定されてしまった」「この人、結局自分の話がしたいだけなんじゃないか」と感じます。
また何か言ったら、すかさず小言や反論が返ってくると思えば、意見を言うことに躊躇してくるでしょう。
下からの相談や報告が少ない、ボトムアップが少ないと感じるときは
「話を聞いているつもり」になっていないか、職場で意見を言いにくい雰囲気を創り出してしまっていないか、確認してみる必要があります。
第二段階「集中的傾聴」
話している相手が「自分の意見を話したくなる」状況が、傾聴の第一段階をクリアした状態の「聴き方」で話を聞いてもらった場合です。
第二段階は」「集中的傾聴」といい、このレベルになると相手に好奇心を持ち、声の調子や間、感情の変化などを汲み取って話を聴くことができています。
相手に興味を持って話を聴いているので、自然と相手の考えを確認する「オープンクエスチョン」(「どうしてそう思うの?」「君はどうしたらいいと思う?」など)が多くなります。
第三段階「全方位的傾聴」
第三段階は「全方位的傾聴」といいます。
自分と相手だけでなく「場の空気感」を読みながら話を聴いている状態です。
例えば、良くない話をする場合は一対一でおこなったり、周りにもいい影響を与えるアイデアの出し合いやポジティブな内容はチームのいる現場で話したり、そのほかではその場にいるメンバーへの影響、反応なども考えて聴くことができている状況がこの段階です。
第二段階以上の傾聴法で話を「聴いて」もらうと、人は「この人は自分の話を聞いてくれている」「自分の意見をきちんと受け止めてくれている」と感じます。
個人面談の場だけでなく、部署のミーティングや業務の様々な接点でこのように話を聞いてもらえる安心感があれば、仕事でのちょっとした気づきや疑問、不安なども言いやすくなるはずです。
まずは「きちんと聴く」姿勢で相手と向き合い、相手が意見を言いやすい状況を作ることが「指示待ち社員」を成長させていく第一歩でしょう。
まとめ
今回は指示待ち社員の動かし方についてお話ししました。
指示待ちになってしまっている状況はさまざまあると思います。
プライベートな内容で、自発的に動けないケースもあり、一概に「こうすれば解決する」という正解はございませんが、「指示待ち社員」は、なぜ指示を待っているのか。
それを見極めてマネジメントを考えるためにも、まずは相手の話や状況を「聴いてみる」ことが打開策の第一歩です。
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