会話やミーティングで話がまとまらなかったり、報告だけの会議で消耗している管理職やトレーニーは多いかと存じます。
新人や中間管理職でも、場面に適正で自身の意見を発信できるスキルがあれば有益な時間になるでしょう。
コミュニケーションを円滑にするスキルで、「ファシリテーション」というスキルはご存じでしょうか。
ファシリテーションとは、会議や研修など複数の人員が集まる現場において、参加者同士の理解を深め、議題や課題をブラさずに結果が出るようサポートする手段のことです。
そのため会議では司会進行役が、ファシリテーションを行うケースもあります。
(情報番組で敏腕キャスターが意見をまとめ、的確に質問するのもファシリテーションの一部)
企業内でのファシリテーションは経営層と現場をつなげたり、部署をまたいだ意見交換や、組織の活性化に効果を発揮します。
そのため、管理職に必要なスキルです。
今回は、ファシリテーションスキルが必要な理由についてご紹介致します。
この記事でわかること
②ファシリテーションスキルの向上方法
③まとめ(ファシリテーションスキルを磨いて活気のある組織に)+
①ファシリテーションスキルが必要な3つの理由
ファシリテーションは新人から管理職まで、どのフェーズにいても役に立つスキルなので磨いておくことには損はありません。
新人であれば、新人研修でグループワークの結果に結び付きます。
中堅層では意見のボトムアップに使えるスキルでしょう。
ファシリテーションスキルが特に必要なのは、組織の成長を担う管理職です。
業務において、目標の共有やメンバーの意見の集約、チームの方向性を示して足並みを揃えるなど、円滑に現場をマネジメントするためには必須のスキルです。
具体的にファシリテーションスキルが必要な場面をご紹介致します。
1・組織のモチベーションを上げる
ミーティングの場などで、課題や方向性を示した上で組織内に意見を求め発現しやすい場面を作ります。
そうすることで、より多くのアイデアを引き出し、チーム内のコミュニケーションが活性化されます。
より多くのアイデアを促せれば、部署やプロジェクトの質も上がってくるでしょう。
2・有益な時間にする
ファシリテーションスキルが高い管理職がいれば、ただの会話も有益な情報になり、部下も結果を出すプロセスが見出せるでしょう。
理由は常に課題を軸に話をし、議論や目的が横路にそれたとしても修正できるからです。
「傾聴」のスタンスににていますが、あらかじめ話の軸を提示することが大きなポイントです。
また、「有益な時間にする」という意識があれば会議時間も長引かず、チームメンバーの協力を促しチームワークが向上し一体感も生まれるでしょう。
3・他部署との連携
営業側と制作側、またはバックオフィスなど複数部署の生産性を上げる場面にも必要です。
経営課題は企業全体の課題なので、部署をまたいで改善する必要があります。
俯瞰して経営課題を理解して、他部署との連携で何が解決できるか自分の部署ではどんなことが貢献できるかなど発信できれば部署をまたいだ問題解決も可能になるでしょう。
逆に自分の部署の問題点があった時、他部署に相談して改善できるかなどチームとして巻き込む姿勢も重要です。
②ファシリテーションスキルの向上方法
ファシリテーションスキルは訓練することで、身につけることが可能です。
テクニックの紹介と具体的な進め方をご紹介致します。
■テクニック
話し合いを円滑に進めるためのルールを定める「グランドルール」を作ります。
例えば、「違う意見を受け入れる」「失敗もOK」「意見は代替案もセット」などです。
会議やミーティングの形態によって内容を変えます。
重要なのは、「発言しやすい場面」を作ることです。
もう一つは「ブレーンストーミング」です。
「グランドルール」の「違う意見を取り入れる」に近いですがイメージとして、施策を皆で決定して行動の動機付けをするための作業です。
これにはただ「どう思う」と投げかけるだけではなく、「あなたは〇〇の部分がとてもうまい、今の部署の課題をクリアするためにはどうするか」などチームや個人の特性を理解して具体的に問いかけることが重要です。
2つのテクニックで意見を聞いて、ゴールへと導くことが求められます。
こうしたスキルはミーティングなどで実行して身につくものです。
■ファシリテーションの進め方
では実際にファシリテーションを行う4つのステップをご紹介します。
①目標、目的、課題を定める
これは議題です、話したい内容を決めるという行動です。
すでに議題の決まっている会議では、報告に徹することが多くなりがちです。
自分が何を考えているか、その会議の目的は何かなど意見をブラさずに発言するために、事前に言いたいことを確認するだけでも質は変わってくるでしょう。
②場の雰囲気作り
ポイントはコミュニケーションの促進です。
参加者に質問をし、相手のペースに合わせて話を聴き「会話を引き出す」「うなずく、あいづちを打つ」などのリアクションをとるや、異なる意見がたくさん出ても否定しないなどです。
自身が参加者の場合、自分の発言が失敗しても理由があるものだったら気にしない、などを意識するとよいでしょう。
最後に関しては、発言に失敗しても改善はできます。
むしろ会議に参加している姿勢を「リーダーシップ」で示せるので、自分の仕事の精度も上がるでしょう。
③タイムキーパー
話し合いなど時間内に纏まるように進める意識です。
重大な経営判断で、結論を出さなければいけない場合は別ですが話が膠着した場合は、率先して方向性を示して行きましょう。
そうすることで、話し合いのモチベーションは保たれ意見の擦り合わせが進んでいきます。
④意見のまとめ、コンセンサスをとる
話し合いででたアイデアを全員に問いかけ、意見が一致していることを確認します。
ここが1番難しいところです。
1つの意見に対して最初から参加者全員が、確実に支持しているという状況は少ないでしょう。
その際、改めて目的、ゴール設定を示す、課題に上がった内容を投げかけて選択肢を広げる、投票するなど話し合うべきことを絞り、参加者全員が共通の結論に至るように進めましょう。
以上の4つのステップは常に中立の立場で意見を聞き、参加者全員が意見しやすいような場面を作り、合意形成をサポートするように意識しましょう。
③まとめ(ファシリテーションスキルを磨いて活気のある組織に)
今回は「ファシリテーション」についてご紹介致しました。
ファシリテーションは肩書きや役職が関係ない場面でも「リーダーシップ」を発揮することで効果的に行うことができます。
実際にファシリテーションを行う時に意識すべきことは、中立の立場で課題をブラさないことです。
対するのは人間ですので、議論には思惑や感情がどうしてもついてきます。
それも尊重しながら、否定せず原理原則に従って物事を見ることが重要です。
急には身につかないスキルですが、実際の会議をシミュレーションすることによって、精度を上げることができます。
自由な意見交換と速やかなボトムアップがファシリテーションの目的でもありますから、このスキルが向上すれば活気に溢れた組織を構築することができます。
組織を活性化させたい、コミュニケーションをステップアップさせたい場合に今回の記事がご参考になれば幸いです。
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